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help リーダーに追加 RSS 滲むお正月

<<   作成日時 : 2008/05/01 08:16   >>

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 桜は咲く前にひりりと胸をざわつかせる。

 蕾が腫れ物のように危うげだ。

 と、そう思ったその瞬間に、シャッターを押しました。

 5月になると、やっと春になったと思います。
 鈍いです。
 
 以前、「5月といったら、もう初夏じゃない」と笑われました。
 わたしは鈍感なのです。
 「鈍感季節アンテナ内蔵人間」です。

 そして新年度が始まって、ようやく2008年になったと思えます。
 これも鈍いと指摘されそうです。
 でもこの感覚は、学生病というか、学校暦病というか。
 鈍感な感性と学校のリズムが共犯関係になった結果、わたしはズレています。
桜の蕾


 今年の初めに印象に残ったニュースは、美術館に関するものでした。

国立西洋美術館、世界遺産に推薦決定

 政府の世界遺産条約関係省庁連絡会議は7日、東京・上野公園にある国立西洋美術館本館を世界遺産(文化遺産)に推薦することを正式に決めた。

 同館はフランス人建築家ル・コルビュジエの設計。フランスが今月中に、日本、スイスなど7か国にある23件の作品をまとめて「ル・コルビュジエの建築と都市計画」として国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)に推薦書を提出する。

 コルビュジエ(1887〜1965)は、ピロティ(支柱)、屋上庭園など「近代建築5原則」を提唱し、20世紀の建築や都市に大きな影響を与えた。同館は、コルビュジエが設計し、建築家の前川國男らが補助設計や現場監理を行い、1959年に建てられた。推薦される23件のうち、個人邸宅と集合住宅が計12件で、公共建築は同館のみ。

 推薦書の提出後は、ユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議」が現地調査を行い、来年7月ごろ、世界遺産委員会が世界遺産への登録の可否を審議する。
 (以下略)(2008年1月7日13時37分 読売新聞)


画像


 国立西洋美術館は、少し迷路のような構造に思えます。
 惑わされてしまうけれど心地良いと思えて、気に入っています。

 2008年1月3日に一人で出かけたブリヂストン美術館も、居心地が良かったです。
 東京駅から徒歩5分のところにあり、わたしの自宅から
30分かからないで到着するので、わりと出掛けるようになりました。

 ひとりぼっちのお正月は4年振りで、しんみりしました。
 時を刻む静寂が、耳のそばでしんしんと鳴るのに気づきました。
 音ともいえないその響きを、やけに大きく感じました。
 これまで無我夢中で走って聴かないようにしていた静寂に、復讐されているような気分でした。
 復讐というよりも、「勇気のなさ」を責められているようだという方が正確かもしれない。

 モネの、「黄昏ベネツィア」という絵の前で、ぼーっと座っていました。
 そのまま2時間でも、ぼーっとしていられると思いました。
 その色彩の虜になったのです。

 世界が全部、滲む。短い間だけ。

 滲む世界も、止まらない自殺の続く世界も。

 暴力の前では、すべては無力に見える。

 正義とか、倫理とか、もちろんなくてはならないのだけれども、
もっと縁の下の力持ちで、この世界を支えている気持ちがありそうで。
 それに名前を与えて、概念にしてしまうと、その途端に嘘っぽくなりそうでためらう。
 想像力は、勇気や寂しさに左右されて、常にパワー全開で働いてもくれないし一定した能力ではない。
 人間は、機械ではないですしね。
 (そもそもパワー全開な想像力というのを、客観的に定義するのは難しい。能力は、メーターのように数値化できない。)
 想像力が不完全だと思い知って、快楽だけを貪ろうとする誘惑の窓を閉めて、
選びうるものから、選ぶべきと内側からだましようもなく思うものを選んでいけたなら、
そしてその選択を応援してくれる誰かがそばにいてくれたなら。
 いいよねぇと思う。

 最近、おそらく人生相談といえるのだろう悩みを聞くことがあり、
相手とは長年の付き合いであったので、きつい言い方ですが「まず、そういうことを考える人格を殺せ」
と、全く相談甲斐のない見解を述べたのです。それからふとした時に
「相談」という場における、経験や感情の伝達可能性について思い巡らして、
上記のようなことをぐるぐる思ったのです。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
一枚の大きな布が風にはためいている・・・「5月」はそんなイメージです。
手前味噌ですが、わたしの生まれ月です;^^)

はためく音のイメージは、この人の歌唱につながります。
http://jp.youtube.com/watch?v=MZs-3TZzz3c&feature

同じアルバムの中の曲。少しポップな感じですが。
http://jp.youtube.com/watch?v=CnaOCOR0Qdk

空気を通して私達を振るわすこの人の声も、モネが粒子の形でキャンバスに閉じこめ再び私達の眼前で拡散させる光の波動も、「この世界を支えている何か」を感じるための、切っ掛けになるのかも知れません。
natsukusa
2008/05/03 12:17
蛇足です。
http://jp.youtube.com/watch?v=QFirE6hb2FI&feature

前回、コメントに載せようと探したのですが見落としていました。今頃になって・・・。
編曲の仕方が好みの分かれる所、という点でも蛇足の域を出ない・・・かな;^ ^)
natsukusa
2008/05/05 12:48
natsukusaさんと同じく、わたしも5月生まれなんですよ。
身の回りには、5月生まれはとても少ないです。

"Sorry Seems to Be the Hardest Word"は、涙目フィルターに
映った世界のイメージです。

T.S.エリオットの詩に、「暗い 暗い 暗い 暗い」と書かれている
作品があったと思うのですが、あの波長と5月の曇天が自分の中で絡まります。
5月は来る夏に向かって、草木の伸びやかさを感じさせるけれど、
他方で光りに満ちれば、影が濃くなる…というような気分も感じさせます。
一筋縄ではいかない季節の始まりですね。

2008/05/11 09:19

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